上画像は 「平将門のゆかりの地」 茨城県岡台地にある案内支柱


復習   高齢者学習講座  日本の古代史


日本の古代史 38     「今昔物語 ⑻笑える話6話」

 

  以下の話の類は落語や狂言のネタにもとりいられているとのことです

❶近衛舎人共稲荷詣重方値女語第一

 

❷木寺基僧依物咎付異名語第八

❸祇園別当感秀被行͡通経語第十一

➍或殿上人家忍名僧通語第第十二

❺銀鍛冶延正蒙花山院勘当語第十三

❻金峰山別当食毒茸不酔語第十ハ


日本の古代史 37     「今昔物語 ⑹蛇と女4話」

 

❶嫁蛇女医師治語第九

❷蛇見女陰発欲出穴当刀死語第三十九

❸蛇見僧昼寝のみ愛死後語第三十四

➍大和国箸語第四十


日本の古代史 36     「今昔物語 ⑹怪談話10話」

 

❶桃園柱穴指出児手招人語三

❷在原業平中将女被喰鬼語七

❸於内裏松原鬼成人形喰女語八

➍産女行南山科値鬼逃後語十五

❺東人宿川原院被妻語十七

❻近江国生霊来京殺人語二十

❼美濃国紀遠助値女霊遂死語二十二

❽猟師母成鬼擬?子語二十三

❾人妻死後会旧夫語二十五

➓女児死夫来語二十六


日本の古代史 35     「今昔物語 ⑸不思議な話・面白い話7話」

 

❶元明天皇陵点定惠和尚語第三十五

❷於鈴鹿山蜂国殺盗人語第三十六

❸蜂擬報蜘蛛怨語第三十七

➍母牛突殺狼語第三十八

❺太刀?陣売魚語第三十一

❻人見酔酒販婦所行語第三十二

➐竹取翁見付女児養語第三十三


日本の古代史 34     「今昔物語 ⑷現世利益話4話」

 

❶御手代東人念観音願得富語第十四

❷仕観音人行竜宮得富語第十五

❸貧女仕清水観音給御帳語第三十

❸貧女仕清水観音給金語第三一


日本の古代史 33   「今昔物語 ⑶霊験あらたかな話4話」

 

1.仏像の種類

 ❶如来  ❷菩薩  ❸明王  ➍天   ❺羅漢  ❻高僧

2.仏像の役割

 ❶如来

   修行の末に解脱(悟りを開いた者で仏陀とも呼ぶ)

   如来像は一般に釈迦をモデルにしたものが多い

  ⑵如来の種類

   大乗仏教では釈迦以外にも新しい如来が出現し、それぞれに「浄土」である仏の世界をつくり

   衆生(一般の人たち)を救済しているという

   ①釈迦如来  釈迦の出家後の姿で解脱(悟りを開いた)姿

   ➁薬師如来  日光・月光菩薩を脇立ちにし「薬師三尊」は、はるか東方の彼方に瑠璃光の世界をつくっている

   ③阿弥陀如来 向かって右側に観音、左に勢至菩薩を脇立ちにしてはるか遠い西方の彼方に極楽浄土の仏の世界を

          つくっている

   ➃大日如来  密教の仏で神秘的な言葉で語りかける

          太陽神的性格から本地垂迹説では天照大御神の本地に大日如来があてられている

          (大日如来の化身が天照大御神)

 

 ❷菩薩

   ⑴釈迦の生前の姿で修行をして悟りを開く前の呼称

  ⑵大乗仏教では菩薩は如来の衆生(一般の人たち)救済の手伝いをすると考えられて

   衆生救済の多様性から多くの菩薩が誕生した

  ⑶種類

    ①弥勒菩薩  未来仏、仏教の消滅後 56億7000万年後衆生救済に現れる、その間は地蔵菩薩が代役

    ➁文殊菩薩  釈迦如来の脇で優れた知恵の持ち主

    ③普賢菩薩  釈迦如来の脇に立つ徳(修行)などをつかさどる仏様

           「女人往生」を約束すると説かれ、そのため早くから女性の信仰を高めた

           延命の徳があると言われ長寿が祈願された

    ➃日光・月光菩薩 薬師如来の脇立として衆生の病苦を除き安楽を与える

    ➄観音菩薩

       数々の菩薩の中で地蔵信仰と並んで最も広く人々の間に広まったのが観音信仰であり、

       多様な発展を遂げたのが観音菩薩である

      ❶観音菩薩は正しくは「観自在菩薩」とか「観世音菩薩」という

         観は衆生の救済の姿をよくみること

         音は衆生の声(音)を良く聞くことから名づけられた

      ❷観音菩薩は阿弥陀如来の脇立で勢至観音とともに衆生の臨終の時に来迎するといわれている

      ❸観音信仰

       10世紀中頃より阿弥陀信仰が広まり平安時代末期から鎌倉時代にかけての浄土信仰へと爆発的発展を遂げる

       そして、観音信仰が全国へ広まり衆生の現世利益的で多様な要求に応じて様々な「変化観音」が生まれた

      ➍変化七観音

        1 十二面観音  2 不空羂索観音(ふくうけんじゃく)  3 千手観音

        4.如意輪観音  5馬頭観音     6准提観音(じゅんてい)   7聖観音(しょう)

      ❺観音巡礼

        平安末期ごろより観音巡礼がはじまる、西国33巡礼は有名

        時代が下がるにつれ全国あちこちの観音霊場めぐりがあちこちでおこなわれる

       

 3 今昔物語 四話

   観音信仰で、どんなご利益があったのかの四つの話

 

  ❶山城国女人依観音助■蛇語第十六

  ❷備中国賀陽良藤為狐夫得観音助語第十七

  ❸唖女依石山観音助得言語第二十二

  ➍盲人依観音助開眼語第二十三


日本の古代史 32       「今昔物語 ⑵往生集六話」

 

⒈仏教の世界観「二元論的世界」

 ❶前生(前世)  生まれる前に生きていた世界

 ❷今生(現世)  今生きている世界、煩悩の世界(四苦八苦する世界)  

 ❸後生(後世)  ⑴煩悩を断ち切る(解脱・悟り) → 輪廻転生しない世界

            永遠の極楽浄土に生まれ変わる

            阿弥陀仏の世界

         ⑵因果応報 → 輪廻転生する世界

            六道輪廻の世界に生まれ変わる

            永遠に煩悩に苦しむ世界に生まれ変わる 

2.死後の世界の考え方

 ❶人の死 

  ⑴初七日

         死んでから七日間 「死出の山」を巡り、七日目に「三途の川」に出て、川を渡る

         ※彼岸(向こう側)は昼(生)と夜(死)の時間が同じ、

          比岸(こちらの側)で春分の日・秋分の日に墓参りをする

  ⑵七七日までの間  「冥途」を旅する

     中陰(冥界)の世界 → 陽(生)と陰(死)

  ⑶ご霊前 七七(49日)

     初七日に最初の判決が出たあと、7日ごとに計7回の裁判が行われて、49日目の審判が下される

  ⑷御仏前

     六道輪廻の世界。「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天」を永遠に転生する 

3.六道輪廻の世界

   人は死んでから裁きを受け生前の生き方により、六道「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天」の

   どこかの世界に生まれ変わり、永遠に輪廻転生を繰り返し苦しみから逃れられないとする仏教の教え

   

4.冥途の裁きの基準

  ❶ 不殺生戒        動物を殺す

    ❷   不偸盗(ちゅうとう)戒  人のものを盗む

    ❸   不邪淫戒        不倫

    ➍   不妄語戒        嘘をつく

    ❺   不飲酒戒        酒を飲む 

5.七回の裁判と裁判官

   初七日  7日目  泰広王(不動明王)

   二七日  14日目  初江王(釈迦如来)

   三七日  21日目  宋帝王(文殊菩薩)

   四七日  28日目  伍官王(普賢菩薩)

   五七日  35日目  閻魔王(地蔵菩薩)

   六七日  42日目  変成王(弥勒菩薩)

   七七日  49日目  泰山王(薬師如来)    

      ※参考  百ケ日   平等王(観世音菩薩)

           一周忌   都市王(勢至菩薩)

           三回忌   五道転輪王(阿弥陀如来)

6.煩悩について

   ❶四苦八苦  頭の中でいろいろなやみ四苦八苦する世界

     ⑴四苦  生  生まれること

          老  老いること

          病  病の苦しみ

          死  死への恐怖

     ⑵八苦  愛別離苦        愛するものとの別れの苦しみ

          怨憎会苦        嫌いなものと会わねばならない苦しみ

          求不得苦        求めても求めても得られない苦しみ

          五陰盛苦(ごおんじょうく)  の体と心を構成している五つの要素「色・受・想・行・識」から生まれる苦しみ

    ❷ 三毒

      ⑴ 貪欲(どんよく)

      ⑵ 瞋恚(しんい)  いかり

      ⑶ 愚痴(ぐち)

   ❸ 108の除夜の鐘は人間の煩悩の数

     ひとつの説  下の積算  6⃣×3⃣×2⃣×3⃣ 〓 108 

            「①目 ➁耳 ③鼻 ➃舌 ➄身 ⑥意」の六根    6⃣

            「①好(気持ち良い)  ➁悪(不快)  ③平(どちらでもない)  3⃣

            「①浄(きれい)   ➁染(汚い)」    2⃣

            「①過去  ➁現在  ③未来」  3⃣ 

7.末法思想

   ❶正法

    釈迦の没後500年間は正しい仏教が伝えられ、修行すればその効果があらわれるという考え方

    道元の「正法眼像」

   ❷像法

    その後の千年間は、その教えは残るが修行しても悟りを得られることができない時期で

    仏教の教えが形骸化してしまう

  ❸ 末法

    その後、仏教の教えがすたれ、修行者もいなくなり、破戒・天変地異・戦争も起こり

    不安な時代が約一万年も続く

8.時代背景

  ❶平安中期以降、武士の力が強まり、各地で争乱で末法思想が盛んになり、1052年末法の世が始まる

    ❷そうしたことから、浄土信仰が広まる。

    ひたすら「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える

    南無とは「偉大なるという意味」で西方にある「西方浄土」である

   ❸「西方浄土」にいくためには解脱と煩悩をすてなければならない

     そのために⑴ ひたすら念仏を唱える「他力本願」で阿弥陀仏が迎えに来る

           大乗仏教で大勢の人が報われる、日本に仏教が伝わった時は大乗仏教

           鎌倉初期、浄土真宗の親鸞の「悪人世機説」は他力本願

          ⑵ 座禅して悟り(禅宗)の「自力本願」、少ない人しか救われない「小乗仏教」

9.阿弥陀信仰 

  ❶阿弥陀仏(如来)とは

   インドのサンスクリット語で中国に伝わり「阿弥陀」の文字となった

       アミターユズ  無量寿  永遠の命

       アミターバ   無量光  永遠の光輝き    

  

  阿弥陀如来のつくる「西方極楽浄土」とは

    ⑴無限の寿命をもった世界

    ⑵無限の光に満ちあふれた世界

    ⑶金・銀・瑠璃・水晶などで飾られた世界

    ⑷音楽に満ちあふれた世界

     ⑸常に仏の祈りの声が聞こえる世

  ❸極楽世界に往生するには

     ⑴常に人のためにつくすこと

     ⑵常に善行をつみ重ねる

     ⑶人や物に執着せず貪りの心をすてること

     ⑷自己犠牲を喜びとすること

     ⑸悟りをひらくこと

     ⑹ひたすらに念仏を唱えること

10.阿弥陀信仰が広まったひとつの理由

  平安中期に源信の「往生要集」で「阿弥陀如来迎図」が普及した

11.藤原道長 右肩上がりの人生

 ❶ 彼には、5人の女子がいたがすべてが天皇に嫁いでいった。この当時は女は子供が産める

   よう年上が普通であった

 ❷ 藤原道長は極楽往生できたのか、道長の臨終時の様子

   ⑴病床を寝殿から法成生寺阿弥陀堂に移す

   ⑵北まくら西向きに寝せる

   ⑶病人の手の指に5本の糸を絡ませ阿弥陀仏の手と結ぶ

   ⑷大勢の仏僧たちの大合唱が絶えず

   ⑸病人は消え入りそうな意識の中でひたすら念仏を唱える

   ⑹阿弥陀来迎を想像し心眼に思いうかべる 

 ❸道長の人生 

        西暦 道長年齢 道長の人生    
        966 1 誕生    
        980 15 従五位下    
        982 17 昇殿を許される    
        986 21 従五位上、正五位下、従四位下、蔵人    
        987 22 従三位、倫子と結婚    
        988 23 権中納言、明子と結婚    
        991 26 権大納言    
        994 29 内覧、右大臣    
        996 31 左大臣    
        1016 51 摂政となる    
        1017 52 摂政をやめる、太政大臣、従一位    
        1018 53

太政大臣辞任、「望月の歌」をつくる   ※望月とは十五夜のこと

「この世をばわがよと思う望月の欠けたることもなしと思えば」

   
        1019 54 出家、京都に法成寺建設を始める、糖尿病悪化で視力を失う    
        1022 57 法成寺金堂完成    
        1027 62 道長没す    

12.今昔物語の往生集6話

  ❶陸奥国小松寺僧玄海往生語 第19

  ❷信濃国如法寺僧楽連往生語 第20

  ❸大日寺僧広道往生語 第21

  ➍小松天皇御孫尼往生語 第36

  ❺睿桓聖人母尼釈妙往生語 第40

  ❻鎮西筑前国流浪尼往生語 第41


日本の古代史 31       「今昔物語 ⑴人物4伝」

 

 1.今昔物語について

  ❶成立年代と作者は不明だが、平安時代末期の1120年の白河上皇が院政した鳥羽天皇のころといわれている

  ❷天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の三国の1000余りの説話が収録、31巻で庶民の話・仏教説話多し

  ❸各説話の初めが「今は昔」、終わりは「トナム語リ伝へタルトヤ」となっている

 

 2.人物伝

  ❶「藤原鎌足」の話

  

  ❷「藤原不比等(淡海公)」の話

   ⑴不比等の両親

    中大兄皇子(天智天皇)と車持国子の娘「車持与志古」の間に長男「定恵」(643~665年)がいる

    その「車持与志古」と「藤原鎌足」の間に不比等(659~720年)が生まれている

    ゆえに与志古が母である

   ⑵不比等と藤原四家

    藤原鎌足 → 不比等(淡海公)→ 藤原四家

                    ①武智麻呂 南家  →仲麻呂

                    ➁房前   北家  →内麻呂→冬嗣

                    ③宇合   式家  →広嗣

                              →良継→乙牟漏

                              →清成→種継→仲成・菓子

                              →百川→緒継

                    ➃麻呂   京家

 

  

   ❸「安倍晴明」の話

    ⑴平安時代陰陽師の待遇

     ①位階

      陰陽師

      陰陽博士   従五位下

      天文博士   正七位下

      正六位以下は決まった収入が得られなかった

     ➁破格の待遇の安倍晴明

      従五位の時 400石  現在の年収換算2~3千万円

      従四位の時 800石     〃   4~6千万円

    ⑵安倍晴明の出生伝説 

     ①伝説1

      摂津の国の阿倍野に安倍安名という青年がいた。

      ある日、安名が泉の国の信田の森(藤井寺)の明神様(信田の森葛葉稲荷)へお参りに来た時、一匹

      のキツネが逃げてきた。

      追ってきたのは地元の有力者の石川恒幸という者で大勢の手下をつれて狩りをしているところであった

      安名はキツネを助けようとして石川と斬りあいになる

     安名はやがて捕まり斬られようとするが藤井寺の住職の頼範の説得により命を助けられる

      安名が帰る途中の阿倍野の里の谷川で大変美しい娘と出会う

      娘は安名の傷を手当してくれて、やがて二人は親しくなりめでたく結婚する

      そこで、生まれてきたのが安倍晴明であった

     七年後、晴明の母がキツネに戻ったところを晴明に見られてしまい、以後、母親は姿をみせなく

      なったという。

      晴明は母親恋しさに泣き続けたという

      この伝説は大阪の藤井寺の信田の森の葛葉稲荷に伝えられている

     ➁伝説2 

      (1) 平将門の子である

      939年将門の死後、将門の子供たちも打ち首となるが一人だけ生き延びていた子供がいた

      彼の名前は将国という

      常陸の国の信田というところに隠れ住んでいた

      後に名前を将国から安倍晴明に変えて京に入った

      こののち、陰陽師として政権の中枢部に深く入り込み、父の意思をついで「東国に独立国をつくる」

      という意思があったとする伝説がある

     京でさらし首になった将門の首は、大きく目を見開いていて、口を開いて恨み言を述べていた

      首が空を飛んだ等の出来事は安倍晴明の仕業であるという説もある

      茨城県の信田に晴明神社がある

     

   ➍「平将門」の話

    ⑴将門伝説

     ①千葉県成田市の新勝寺

      朱雀天皇が将門の乱を鎮めるために創建した。乱を平定し「新しく勝利した」ことから名付けられた

     ➁将門の首

      京に運ばれて鴨川の河原にさらされたが、首は生気を失わずそらを飛び下総に帰る途中、武蔵の国の

      現在の東京都中央区の大手町に落下

     ③東京の神田明神

      将門の死後、天変地異が続き、「将門のたたり」と恐れた人々が「将門を神」とする

      「神田明神」をつくった(1309年創建)

      江戸幕府成立後、家康は将門を深く尊敬し神領を寄進(神田)し江戸の守護神とした

      以後、江戸っ子に信仰され今日にいたっている

      なお、神田明神の氏子は絶対に成田山にはお参りにはいかない

     ③千葉市と平将門

      千葉恒顕ら東国武士の多くは「自分は将門の子孫」だと名乗って誇りとしていた

      (朝廷に対する反骨精神からか)  

     (2)平将門の系図

       桓武天皇 → 葛原親王 → 高見王 → 高持王(桓武平氏) →国香→貞盛→北条氏・清盛

                                     →良兼→公達・公将

                              →良将→将門

                                       →良文→忠頼→千葉氏・畠山氏

                                       →良茂→良正